東京2400mで行われる3歳牝馬GⅠ「優駿牝馬」。
イギリスのクラシック競走である「The Oaks Stakes」を範としており、そこから「樫」あるいは「(日本)オークス」とも呼ばれる。桜花賞や秋華賞と合せて「3歳牝馬3冠」と言われ、その第2弾。
優駿牝馬(日本オークス)の傾向 (過去10年の連対馬データから) 2017
【実績】
最低連対ラインは「500万2着」。
ただ、該当するのは…
「OP出走無し、重賞2戦フェアリーS4着とフローラS3着」のピュアブリーゼ
500万も3戦して「牡馬相手に4着、逃げと2番手をとらえきれなかった3着、後にOPと本番も勝つエリンコートの2着」と実績の割にはやれそうな気配はあった。
ただ、11年は出走メンバーの実績の低さ(未勝利勝ちで出走可能)に加え、直前の急激な豪雨などもあって、通常時は参考にすべきではないかと…。
次点は「OP勝ち」。該当するのは2頭で、重賞以上が…
「重賞初出走」のエリンコート
ピュアブリーゼと同じく前述の11年の勝ち馬。この年の連対馬は優駿牝馬後に勝利どころか2着もない。対して3着のホエールキャプチャは後にGⅠ勝ち、4着のマルセリーナもGⅢ勝ちなどもあり、天候や展開の部分が大きかったと考える。
もちろん、同じような天候や馬場状態、展開次第では可能性は残るが…。
「阪神JF4着、チューリップ賞5着、桜花賞4着」のローブデコルテ
この07年は「後に牡馬相手にも勝利するダイワスカーレット、ウオッカ、アストンマーチャンの3頭中2頭が出走してワンツーの中でGⅠ4着、GⅢ5着、GⅠ4着」で、「後方届かず」もあり、まともならGⅢ2着くらいはあった。さらに本番が、ダイワスカーレットが直前で感冒で回避、ウオッカは東京優駿(日本ダービー)に向い、アストンマーチャンは桜花賞後休養と、メンバーも手薄だった。
次々点は「重賞2着」。
「クイーンC2着のみ」のミッキークイーン
「チューリップ賞2着と桜花賞3着」のヌーヴォレコルト
「フラワーC2着とフローラS2着」のエバーブロッサム
「桜花賞2着のみ」のレッドディザイア
「阪神JF3着、フラワーC2着、桜花賞14着」のフサイチパンドラ
いずれもGⅡ以下2戦以内で2着を外していない。
残り12頭は「重賞勝ち」。
GⅠは「GⅠ連対」9頭、「GⅠ3着」1頭、「GⅠ4着」1頭、「GⅠ出走無し」7頭、「GⅠ9着のみ」1頭、「GⅠ10着2回」1頭。
【距離】
全馬に共通するのは『1600m以上勝利』。
1600mまでだったのは…
「1800m以上初」のシンハライト、ヌーヴォレコルト、ハープスター、メイショウマンボ、ジェンティルドンナ、エフティマイア
「1800m新馬で牡馬相手に3着のみ」のアパパネとブエナビスタ
これ以外の12頭は「1800m以上勝利」。
さらに16頭が『出走最長距離で勝利』。
残りは前述の「新馬で牡馬相手に3着」のアパパネとブエナビスタ、「牡馬相手に葉牡丹賞4着とタイム差なしのフローラS3着」のピュアブリーゼ、「2戦目のすみれSで牡馬相手に3着」のベッラレイア
馬によっては800m延長と未知の領域に踏み込むだけに、牝馬同士なら今まで出走した最も長い距離で結果が出ている必要がある。
【コース】
「東京連対」11頭、「初出走」8頭。
残り1頭は
「京王杯2歳S13着とクイーンC6着」のエフティマイア
新潟2歳S以降が調子がよかったとは言えない時期だけに、例外と考えたい。ちなみに「ダリア賞と新潟2歳S勝ち」と「左回り」2勝だった。
ちなみに「初出走」の内7頭が「左回り初」。残り1頭は「中京と新潟勝利」のハープスター。
【脚質】
「逃げ」1頭、「先行」2頭、「差し」16頭、「追い込み」3頭。
1000mは59.8、61.3、60.7、59.6、59.1、60.7(直前から豪雨)、60.6(稍重)、61.0、61.4(稍重)、59.1で、牝馬の長丁場という事もあり、あまり速くならない。
直線の長さや距離適性などもあって、圧倒的に後ろからが多い。「逃げ」は曰くありの2011年の2着なので、通常は厳しいと考えたい。
後方からは、「二桁番手から」が後に牡馬相手にやれている馬がほとんどなので、力が抜けていない限りは、ある程度の位置から差す方がいい。
【前哨戦】
「桜花賞(2、9、3、1、10、1、2、1、1、2、8、2、4着)」13頭、「フローラS(1、2、3、1、1着)」5頭、「忘れな草賞1着」2頭。
着順は…
桜花賞は「1600m初とポケットイン」のルージュバック9着、「使い詰めで馬体重減り続き(本番は+10キロ)」のメイショウマンボ10着、「レース前から不調の報があり-10キロ」のトールポピー8着、「桜花賞1、2着が不出走だった07年」の4着ローブデコルテを除くと「3着以内」。
フローラSは「3着(11年を除くと2着)」まで、OPは「1着」。
【その他】
1番人気は6連対、2番人気4連対、3番人気2連対。
5番人気3連対で、残りは4、7、8、9、13番人気。
13年、11年、08年などワケありの年を除くと1~5番人気であまり大きな荒れは無い。
上位人気で4着以下だったのは…
重賞実績や前哨戦では「桜花賞1~3着」、「フローラS連対」、「フラワーC連対」が多い。
位置取りなどでは「後方」などで4、5着と惜しいケースもあるが、全く通用しないという事も。「先行」は「2~4番手」で、ダメな場合も多い。連対するのはもう少し後ろからが多いだけに…。
終ってから「結果的に距離がダメ」というコメントは毎年のように聞く。
過剰人気も結構多く、前評判がアテにならない。11年のグルヴェイグは祖母ダイナカールと母エアグルーヴとの「3代連続での優駿牝馬勝ち」という記録もあって3番人気というのは分かるが、さすがに12年のミッドサマーフェアの1番人気は理解に苦しむ…。
「上がり3ハロン3番手以内」は10年で16頭。
2011年以外は年1頭は必ず該当しているし、勝ち馬も11年以外は該当(1着同着の10年は2頭とも)。
脚質を考えても、残り600mで脚が使えるのは重要。
「連対時に上がり3番手以内2回以上」はクリアしてほしい。
10年で「鞍上」は「池添謙一」騎手、「蛯名正義」騎手、「川田将雅」騎手、「戸崎圭太」騎手が2連対。
抜けた騎手はいないが、トレンドみたいなモノはありそう。
ちなみに福永祐一騎手は04年~07年で4連続連対していた。
反対に上位人気で4着以下だったのは、連対もしているが「内田博幸」騎手の3回、「蛯名正義」騎手の2回など。繊細な牝馬という事もあって、「騎手だけでえらぶ」というのは難しいか…。
実績「GⅠ連対」が10年で9頭。
要因はやはり「阪神コースの改修」にあるかと。直線が長くなった事で、優駿牝馬との相性が上がったと考えられる。
改修元年の07年は「GⅠ連対馬」の出走自体が無く、11年は直前の雨もあり、13年は戦前からGⅠ2戦が怪しく、15年も阪神JF勝ちのショウナンアデラが回避、桜花賞が超々スローという事もあって、戦前から心配していた通りに該当していない。
「改修後の桜花賞馬」は不出走、10着、2着、4着、1着、4着、1着、1着、3着。
15年は超々スロー、13年は鞍上が違い、11年は雨や位置取りを考えると走っている。08年は3着だったが、替わり?に勝ったのは邪魔もしたが阪神JF勝ち馬。
阪神1600mGⅠとの相性は良さそう。
【傾向とはちょっと別に…】
10年で堅く収まらなかったのは13年と11年と08年。
「
桜花賞の傾向 2017」でも上げている13年と08年と被っており、桜花賞のレース前から怪しさがあった。11年は実績でも上げたように、出走メンバーの手薄感(未勝利勝ちが出走可能)もあったが、やはり直前の豪雨の影響が大きかったと考える。
当日にアクシデントの可能性もあるが、「戦前から上位人気に危ない雰囲気」があるなら、条件を低くして人気薄を狙うのも一つ。
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