京都3000mで行われる3歳GⅠ「菊花賞」。
皐月賞、東京優駿(日本ダービー)と共に3歳クラシック3冠レースの最後の1冠。ただ、昔と比べると距離適性や種牡馬価値なども考えて、天皇賞(秋)に出走する馬が増えた。その影響もあってか、一時期と比べるとその後活躍する馬が減っている。開催が早まった頃が1つの転機だったと考える。
菊花賞の傾向 (過去10年の連対馬データから) 2017
【実績】
最低連対ラインは「1000万2着」。
該当するのは1600万以上が…
「すみれS5着、セントライト記念3着」のフォゲッタブル
「不利のあった神戸新聞杯3着のみ」のトーホウジャッカル
次点は「1000万勝ち」。
1600万以上が…
「神戸新聞杯3着のみ」のビッグウィークとオウケンブルースリ
「中京2歳S(1800m時)5着、毎日杯8着(0.4秒差)」のスリーロールス
次々点は「OP連対」。
「OP2着、重賞が東スポ杯2歳S6着、青葉賞4着、神戸新聞杯3着」のサトノノブレス
「OP1着、重賞は京成杯3着と京都大賞典3着」のアルナスライン
残り13頭は「重賞連対」。
その内「アーリントンC1着、NHKマイルC3着や札幌記念3着など」のレインボーライン、「重賞がラジオNIKKEI賞2着と神戸新聞杯3着」のソングオブウインド以外が「GⅡ以上連対」とGⅠらしさ?が垣間見られる。
全体でも19頭に『GⅡ3着以内』があり、まずはコレがラインになりそう。
「GⅠ」では、8頭が「GⅠ連対」、8頭が「GⅠ初出走」。残りは「GⅠ3着と8着」、「GⅠ3着と14着」、「GⅠ11着と8着」、「GⅠ11着のみ」。
少し延ばしても「青葉賞13着のみ」のデルタブルースや「神戸新聞杯6着のみ」のヒシミラクルなど、スリーロールスと同じような「1000万勝ちで重賞1戦」が勝ち馬におり、距離適性次第では通用する。
低いラインでは01年に「500万勝ち、900万9着、1000万10着、3着」のマイネルデスポットがいる。
スローで逃げて粘った展開もあったが、その辺りでも可能性は残る。
【距離】
全馬に共通するのは「1800m以上勝利」。
1800mまでしか連対がなかったのは2000m以上が…
「東京優駿(日本ダービー)8着と札幌記念3着」のレインボーライン
「2000m未勝利5着と2000mの弥彦特別(1000万)5着」のスリーロールス
「ラジオNIKKEI杯8着、皐月賞11着、東京優駿8着、神戸新聞杯12着」のフローテーション
3頭とも「血統的魅力」があったのも影響したのか?
次点は「2000m連対」。2200m以上が…
「神戸新聞杯3着のみ」のトーホウジャッカル(不利あり)とビッグウィーク
「青葉賞4着と神戸新聞杯3着」のサトノノブレス
次々点は「2200m」。
2400m以上が…
「東京優駿14着のみ」のキタサンブラック
「京都大賞典3着のみ」のアルナスライン
残り10頭は「2400m以上連対」。
「早い時期に賞金加算すると長い距離に出走する機会が少ない」事や「競馬界の中距離重視への移行」などもあって、増えてきた「1800m勝利」で問題ないかと。
【コース】
「京都連対」11頭、「初出走」4頭。
残りは…
「萩S3着とシンザン記念6着」のレインボーライン
「新馬10着のみ」のトーホウジャッカル
「新馬3着、未勝利4着、4着」のスカイディグニティ
「きさらぎ賞4着のみ」のウインバリアシオン
「新馬11着と京都大賞典3着」のアルナスライン
普通の距離なら特に難しいコースではないので、あまり気にする必要はないのかも。
【脚質】
「先行」6頭、「マクり差し」7頭、「差し」6頭、「追い込み」1頭。
1000mは59.9、60.2、60.9、61.2(不良)、60.9、60.6、61.0、59.9、58.8、60.7と長丁場らしくそれほどペース速くならない事が多い。
初めと最期の1000mは平均前後が多く、グッとペースが落ちるのは1000~2000m。
直線でバラけやすく後ろからでも通用しているが、3コーナーの下りで一気にペースを上げられないので、3~4コーナーまでにある程度の位置につけている馬が多い。
10年で見ない「逃げ」だが、勝ち馬は98年のセイウンスカイ、2着は01年にマイネルデスポットがいる。
【前哨戦】
「神戸新聞杯」14頭、「セントライト記念(1、2、3着)」3頭、「野分特別(1000万1着」1頭、「札幌記念3着」1頭、「京都大賞典3着」1頭。
着順は、神戸新聞杯の12着フローテーション以外は「3着以内」。
ちなみに低いラインだと…02年に「札幌記念13着」のファストタテヤマ、01年には「セントライト記念4着」のマンハッタンカフェ、「鳴滝特別(1000万)3着」のマイネルデスポットがいる。
【血統】
実績や状態だけでは結果に結びつかない事があるのが長距離GⅠ。そんな時に見え隠れするのが『血統』と考えています。
「菊花賞や天皇賞(春)」で連対した種牡馬、産駒がそれらで活躍している種牡馬から狙ってみるのも一つ。
ただ、以前と比べると影響力はグッと下がっており、あくまで「添える程度」に。
【その他】
「人気」は1番人気6連対、2番人気2連対、3番人気1連対。
4番人気2連対、5番人気3連対、7番人気2連対で、残りは6、8、9、15番人気。
1番人気は少し抜けるが、2~8番人気までが横並びと考えられる。
「3コーナーの坂の上がり下り2回」と「ゴール前を2度通る」、「3000mの距離」は、どの馬にとっても初めてなので、「展開や折り合い」などの他の影響を受けやすいようで。
いつも以上に「不安定な要素」が多いと考えておきたい。
「上がり3ハロン3番手以内」は10年で17頭。
先行勢の割合を考えると「上がり3番手以内」に該当している馬は多い。
ただ、早めに仕掛けた方が有利で、該当しない内2頭はそれで勝っている。残り1頭は勝った有力馬から離された2着争いを早めに制した?感じ。
「勝ち馬が2着よりも前の位置取り」が多い。
10年でキタサンブラックとソングオブウインド以外は3コーナーまでに2着より前で競馬をしていた。
余程良い脚があるか、腹をくくらない限りは、早めに動く方がいい結果になっている。
15年は前の馬が入れ替わる激しい競馬で、斜行などいろいろとありましたし…。
鞍上は10年で「福永祐一」騎手の3連対でトップ。
「内田博幸」騎手の2連対が続き、後はバラバラ。
昔は「長丁場は騎手で買え」と言われたが、最近は若手騎手が人気薄で絡んだりと、あまり気にしなくてもいいかも…。少し延ばすと「横山典弘」騎手の4年連続の2着、全体では「武豊」騎手の4勝など。
14年は外を回って前に馬を置けなかった人気2頭が大きく敗れた。岡部幸雄さん曰く「スタートからコーナーまでの短い距離で内に入れて我慢させることができるかどうかがポイント」。秋華賞もレコード決着で馬場の良く、上位3頭ともが内の近い位置にいた馬だったので、その辺りが大きかったようで。
以前から強い「神戸新聞杯組」だが、「2400mになってから上位3頭中1頭は本番でも3着までに絡んで」いる。
「前哨戦としての相性の良さ」は2000mでもあったが、距離延長でますます結びつきが強くなってきた感がある。
14年の秋華賞のローズSのような事があるので、「絶対とは言えない」が、1頭は入れておきたい。
10年で連対馬はすべて「関西馬」(関東馬は3着にはいる)。
04年にホオキパウェーブが2着、01年にマンハッタンカフェが1着などもあるが、関東馬が苦戦している。
輸送などの影響なども考えられる。
10年で「GⅠが東京優駿勝ちのみ」の出走が14年のワンアンドオンリー(9着)1頭だけ。
他に東京優駿勝ちで出走したのは「2冠馬」オルフェーヴル。少し延ばしてもメイショウサムソン、ディープインパクト、ネオユニヴァースと3冠のかかった馬ばかり。
01年のジャングルポケット(4着)までいない。
16年のマカヒキのように海外遠征や距離で天皇賞(秋)に路線変更した馬や牝馬もいるが、数年延ばしても故障も目立つ。無事に出走してもらいたい…。
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