東京24000mで行われるGⅠ「ジャパンカップ」。
開催当初は、海外馬を招いて日本競馬のレベルupなどを目的に行われていた。ただ、現在は国際グレード化や諸事情もあって、意味合いが変わってきている。
元々、「馬場の違い」や「かなりの輸送」や「検疫」などの問題も大きかったが、「ブリーダーズカップ・ワールド・サラブレッド・チャンピオンの開催時期の変更」や「日本馬レベル向上」などもあって、近年は海外からの有力馬の参戦はかなり少ない。
ジャパンカップの傾向 (過去10年の連対馬データから) 2017
【実績】 ※修正
最低連対ラインは「GⅠ2連対+GⅡ連対など」。
該当するのは、「京都新聞杯2着、神戸新聞杯2着、菊花賞2着、京都大賞典2着、有馬記念2着、日経賞2着」のサウンズオブアース
「GⅡ勝ち」でなくても「GⅠ2着」でも大丈夫なようで…
次点は「GⅡ勝ち+重賞連対+GⅡ3着」。該当するのは…
「スプリングS5着、ラジオNIKKEI賞2着、新潟記念16着、セントライト記念3着、アルゼンチン共和国杯1着」のスクリーンヒーロー
セントライト記念後に故障で11カ月ほどレースに出走していない。
次々点は「GⅡ2勝で、GⅠ3着かGⅡ3着」。
「重賞16戦して京都大賞典1着、金鯱賞1着、小倉大賞典1着、青葉賞3着、日経賞3着、阪神大賞典3着、新潟記念3着など」のラストインパクト
「重賞8戦で秋華賞1着、オールカマー1着、宝塚記念3着、天皇賞(秋)4着など」のショウナンパンドラ
「フローラS1着、優駿牝馬3着、ローズS1着、秋華賞4着、エリザベス女王杯5着」のデニムアンドルビー
次々点は「GⅠ勝ち+GⅡ勝ち+GⅡ3着」。
「神戸新聞杯3着、菊花賞1着、JC5着、阪神大賞典7着、京都大賞典1着、天皇賞(秋)4着」のオウケブルースリ
残り15頭に『GⅡ1着+GⅠ2連対+重賞連対』。
GⅠは「GⅠ連対」17頭、「GⅠ3着など」1頭、「GⅠ初出走」1頭。残りは「GⅠ5戦4着2回など」。
【距離】
全馬に共通するのは「2000m以上勝利」。
2000mまでなのは2200m以上が…
「東京優駿11着、京都記念5着、凱旋門賞9着」のジャスタウェイ
「優駿牝馬3着、エリザベス女王杯5着」のデニムアンドルビー
前者は本格化後は「地元でも勝てないと言われた位置取りの凱旋門賞9着のみ」、後者は出走メンバーがかなり手薄だったので、例外と考えたい。
次点は「2200m以上連対」。2200mまでだったのは2400m以上が…
「2400m以上初」のショウナンパンドラ
「稍重の東京優駿7着のみ」のアドマイヤムーン
「東京優駿8着と菊花賞4着」のコスモバルク
残り15頭に『2400m以上連対』があった。
【コース】
「東京連対」15頭、「初出走」1頭。
残りは…
「東京優駿11着とジャパンカップ5着」のサウンズオブアース
「青葉賞3着と天皇賞(秋)12着」のラストインパクト
「ジャパンカップ5着と天皇賞(秋)4着」のオウケンブルースリ
「東京優駿3着のみ」のドリームパスポート
高いレベルで掲示板があり、左回りは「中京勝利」や「新潟勝利」と結果が出ていた。
【脚質】
「逃げ」1頭、「先行」9頭、「差し」9頭、「追い込み」1頭。
1000mは61.7、59.3、59.6、62.4、60.2、61.8、60.7、59.0、61.8、60.1で、開催時期やレベルを考えると遅い。
直線の長さもあってペースの割に後ろからも通用するが、「勝ち馬」は前の方が多い。
ブエナビスタ、ディープインパクトが勝った年以外は「勝ち馬が2着より前め」で競馬をしており、力が抜けていない限りは「先に動いた方が勝っている」事が多い。
【前哨戦】
「天皇賞(秋)(4、12、6、2、4、1、1、3、4、3、6、4着)」12頭、「凱旋門賞(8、2着)」2頭、「京都大賞典(1、4着)」2頭、「菊花賞2着」1頭、「エリザベス女王杯5着」1頭、「秋華賞1着」1頭、「アルゼンチン共和国杯1着」1頭。
天皇賞(秋)は「叩き2走目?12着」「ぶっつけ6着」以外は「4着以内」。
【その他】
「人気」は1番人気6連対、2番人気2連対、3番人気2連対。
4番人気4連対、5番人気2連対、7番人気2連対で、残りは6、9番人気。
実績の高さもあってか大きな荒れはあまりない。ただ、上位人気が3着を独占したのは10年で1回のみ。
「1番人気の4着以下」は14年のジェンティルドンナと海外馬デインドリーム。
前者は乗り替わりもあってか4着、後者は3.3倍で輸送などを考えると少しだけ過剰人気で、3.4倍の2番人気ブエナビスタが勝っており、1番人気はあまり3着を外さない。
「上がり3ハロン3番手以内」は10年で16頭。
先行馬が多い割には該当馬が多いのは、やはり実力の成せる業かと…。
17年はスローの逃げが勝ったが、それ以外は該当しない馬も「33.9~34.3」と速い。
前からでも良い脚が使えるタイプが多いし、勝ち馬も2着より前が多い。
実力やペースを考えても「良い脚を使える馬」を選びたい。
日本馬が20頭中20頭だが、鞍上は「海外騎手」が9人。
この時期に短期騎手免許の来日が増えている事も多いが、実力上位馬が集まるレースだけに、最後は騎手の力量がモノを言うとも考えられる。
より騎乗技術の高い海外騎手に依頼が行くのも当然か…。
ちなみに10年で「岩田康誠」騎手の3連対がトップ。
「R.ムーア」騎手、「池添謙一」騎手、「武豊」騎手、「C.スミヨン」騎手の2連対が続く。
海外馬の連対は10年でなし。
日本馬のレベル向上、馬場の違い、ブリーダーズカップの時期移行や輸送や検疫などもあって、海外馬の一流馬の出走が少ない事があげられる。
現状が改善して、今後に有力馬が出走してくるかは分からないが、馬場適性が合うかどうかが大きい。
年齢は10年で…
「4歳」9連対
「5歳」6連対
「3歳」3連対
「6歳」1連対
さすが「充実の4歳」と呼ばれる事もあってやや抜けている。
以前と比べると出走しやすくなってきている3歳も増加したが、5歳は実績が高いかキャリアが少な目なら問題はなさそう。
性別は「牡13:牝7」。
牡馬が多いが、以前と比べると距離の割には牝馬が通用する時代になった。
10年で7頭が『3歳東京2400mGⅠ連対』。
出走メンバー次第だが、距離とコースが同じという部分もあるが、3歳の頃から日本のトップを争うような素質を持っている事もジャパンカップで上位を狙うためには必要。
「東京優駿14着」のキタサンブラック、「東京優駿11着」のサウンズオブアースとジャスタウェイ、「優駿牝馬3着」のデニムアンドルビー、「東京優駿3着」のドリームパスポート、「東京優駿7着」のアドマイヤムーン以外は「3歳東京2400mGⅠに出走が無かった」。
東京コースは、14頭が「東京重賞連対」。
残りは
「GⅠ14着のみ」、「GⅠ11着と5着」、「GⅠ8着と4着」、「GⅡ3着とGⅠ12着」、「GⅠ5着と4着」、「GⅠ3着」
なので、ある程度走れている方がいい。
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