京都3200mで行われる古馬GⅠ「天皇賞(春)」。
以前は実績馬が強い勝ち方をしたり、名勝負が生まれたり、たまに大荒れしたりで、「個人的に盛り上がりのあるレース」だった。
しかし、十数年ほど前から長丁場のGⅠが展開などが原因で荒れる事が増え、実績や実力などはあまり関係なくなり「馬券的お奨めレース」に。3着は別記事「
天皇賞(春)3着の傾向 2018」で。
天皇賞(春)の傾向 (過去10年の連対馬データから) 2018
【実績】
最低連対ラインは「重賞2着」。
該当するのは…
「重賞11戦して京都大賞典2着、菊花賞3着、日経新春杯4着、アルゼンチン共和国杯5着など」のビートブラック
次点?は「重賞2連対」。
「重賞14戦して金鯱賞1着、宝塚記念2着、天皇賞(春)3着、京都大賞典3着など」のカレンミロティック
「アルゼンチン共和国杯1着、日経新春杯4着、阪神大賞典1着」のアドマイヤジュピタ
出走自体が少なかった。
残りの17頭には「重賞3連対以上」がある。
前述のビートブラック以外にもジャガーメイルや09年時のマイネルキッツなどは「重賞勝ちが無い」。2着があればよく、勝っている必要は無かったりする。
20頭全てが「GⅡ以上連対」(07年には「ダイヤモンドS2着」のエリモエクスパイアがいる)。
GⅠは、「GⅠ連対」13頭、「GⅠ3着」4頭、「GⅠ初」2頭、「GⅠ3戦で6着2回12着1回」1頭。
【距離】
全馬に共通するのは「2200m以上連対」。
2400m以上が…
「東京優駿11着、菊花賞3着、日経賞10着」のトーセンラー
次点は「2400m以上連対」。2500m以上が…
「有馬記念6着、札幌日経OP8着、阪神大賞典4着と6着、天皇賞(春)3着」のカレンミロティック
「菊花賞3着、阪神大賞典10着、ダイヤモンドS4着など」のビートブラック
「菊花賞7着のみ」のヒルノダムール
「有馬記念7着のみ」のエイシンフラッシュ
次々点は「2500m」。2600m以上が…
「不出走」の13年時フェノーメノ、トーセンジョーダン、09年時マイネルキッツ
「天皇賞(春)5着のみ(休み明け)」のジャガーメイル
残りの11頭は「3000m以上連対」。
一昔前はしっかり求められた距離経験だが、今は特に気にしなくてもよくなってきている。
【コース】
「京都連対」17頭、「初出走」2頭。
残りは…
「天皇賞(春)6着のみ」のフェイムゲーム
2周するので3コーナーの「2度の坂越え」がポイントになると言われているが、中距離では特に難しいコースでは無いので出走があるなら連はほしい。
04年も「天皇賞(春)9着のみ」のイングランディーレと「菊花賞4着のみ」のゼンノロブロイがおり、関東馬なら1戦程度でもセーフ。
【脚質】
「逃げ」1頭、「先行」5頭、「マクリ差し」11頭、「差し」3頭。
1000mの通過は58.3、61.8、61.4、61.7、59.4、60.0、64.2(稍重)、60.7、60.2、61.1と遅い年もあるが、1周目は位置取りを確保する部分もあってある程度のペースになる。次の1000mに極端に落ちる事が多い。
長丁場という事もあり、ノンビリ後ろで構えていては届かないので、4コーナーまでにある程度の位置まで上がる馬が多い。
【前哨戦】
「日経賞(5、1、1、1、2、1着)」6頭、「大阪杯(1、2、3、1、3、6着)」6頭、「阪神大賞典(2、6、1、10、1着)」5頭、「京都記念(1、2着)」2頭、「ダイヤモンドS1着」1頭。
着順は「日経賞5着(休み明け)」の14年時のフェノーメノ、「阪神大賞典10着」のビートブラック、「大阪杯6着」の08年時メイショウサムソン以外は「3着以内」。
【その他】
「人気」は、1番人気が1連対、2番人気5連対、3番人気5連対。
4番人気4連対、7番人気2連対で、残りは12、13、14番人気。
苦戦している1番人気のかわりに「2~4番人気」が中心。ただ、二桁人気も多く荒れる事も。
1番人気で4着以下に敗れたのは…
「中団から行ったが失速した」ゴールドアクター
「後ろからの競馬に加え、それほど伸びず」の15年時のキズナ
「レース後故障発覚も後方からの競馬」の14年時のキズナ
「行き脚がつかなくなってきていた+いつも通りの後方」のゴールドシップ
「阪神大賞典逸走で調教変更+かなり後方から」のオルフェーヴル
「乗り替わり+逃げ途中先行」のトゥザグローリー
「乗り替わり+ダイヤモンドSから直行でさらに後方」のフォゲッタブル
「いつもより後ろからの競馬」の09年時のアサクサキングス
「後方から」のアイポッパー
アクシデントや折り合いなどもあるが、「展開的な部分」が非常に多い。
特に「阪神大賞典1着からの1番人気の後方から届かず」は、『天皇賞(春)のお約束』となっていた時期も…。
「上がり3ハロン3番手以内」は13頭。
長丁場でスローで前が多いという部分もあるが、「マクリ」が多いので残り600mで良い脚は必要。
ただ、いくら速い脚を持っていても、物理的に届かないような位置取りからは差の詰めようがないのだが、それをやろうとする騎手が多い。
鞍上は10年で「武豊」騎手の4連対がトップ。
「蛯名正義」騎手の3連対、「松岡正海」騎手や「岩田康誠」騎手などが2連対が続く。
昔は「長距離は騎手で買え」という格言があったが、無謀な位置取りや折り合いを欠くなど、ココ10年はヤネの力量が「しっかりと」出ている感じはしない。どちらかというと「しくじり」で飛ぶケースの方が目につく。
逆に、折り合いを欠いて抑えきれなかったために、スローペースに対応できて2着があったりするので、一概には言えないのだが…。
「年齢」は…
「5歳」9連対
「4歳」4連対
「6歳」5連対
「7歳」1連対
「8歳」1連対
「充実の明け4歳」と言われるが、以前ほど有利ではない。折り合いなどは年を重ねる方がついたりするので若い馬が良いワケでは無い。
「1番人気4着以下」では、ダントツのトップで「4歳」が人気を裏切っているし…。
以前は「長距離は血統が影響する」と思っていましたが、ココ十数年を見てそういう時代は終わったのかなと…。
国際化の波や短距離GⅠの増加による生産界のシフト、馬場作りやレース展開の変化などもあり、「添える程度」と考えていたのですが、本格的に必要なくなってきたようにも…。
特に天皇賞(春)は菊花賞以上に展開の占める割合が高いので、重視する必要はなさそう。
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