中山2500mで行われるGⅠ「有馬記念」。
国内では東京優駿(日本ダービー)と並び、競馬を知らない人でも聞いた事がある有名なレース。宝塚記念と共に「ファン投票」を行うレースですが、「特別登録の中から上位10頭が優先的に出走」という程度で、適性や状態などもあって、投票した馬が必ず出走するわけでは…。
しかも、1人で何頭も選ばなくてはならず、大半の競馬素人の影響で、スプリンターやマイラーだけでなく引退している馬の投票もあり、「好走しそうな馬が選ばれる事はまずない…」。せめてマイル辺りでもう1戦くらいその投票が活かせるレースがあるといいのですが。
有馬記念の傾向 (過去10年の連対馬データから) 2018
【実績】
最低連対ラインは「GⅡ1連対」。
該当するのは…
「重賞3戦で青葉賞4着、菊花賞3着、アルゼンチン共和国杯1着」のゴールドアクター
「重賞2戦してアルゼンチン共和国杯5着、金鯱賞1着」のオーシャンブルー
この年は「かなりの出遅れた馬が3着」だけに微妙だが、メンバー次第では可能性はある。
残りは「GⅡ以上2連対+GⅢ以上連対以上」。古馬の場合は「GⅡ2連対を含む重賞4連対以上」。
20頭中17頭は『GⅡ連対+GⅠ連対+GⅢ以上連対以上』があった。
GⅠは「GⅠ連対」17頭、「GⅠ初出走」1頭、「菊花賞3着のみ」1頭、「5戦して6着が最高」1頭。
【距離】
全馬に共通するのは「2000m以上勝利」。
ただ、2000mまでだったのは、2200m以上が…
「東京優駿3着、ニエル賞4着、凱旋門賞7着、ジャパンカップ3着」の3歳ヴィクトワールピサ
次点は「2200m以上連対」。
2200mまでは2400m以上が…
「優駿牝馬9着のみ」のクイーンズリング
「東京優駿5着と菊花賞16着」のトゥザワールド
コース的な部分もあって、距離で結果が出ていなくてもやれる事がある。
残り17頭には『2400m以上連対』があった。
【コース】
「中山連対」15頭、「初出走」2頭。
残りは…
「皐月賞3着のみ」のサトノダイヤモンド
「日経賞4着のみ」のサウンズオブアース
「1600万4着のみ」のオーシャンブルー
3頭とも「阪神連対」があり、急な坂もこなしていた。2頭は「東京連対」で輸送をクリアしており、もう1頭は「東京優駿11着、日経賞4着、JC5着」なので、力は出せていたかと…。
【脚質】
「逃げ」2頭、「先行」9頭、「差し、マクり差し」6頭、「追い込み」3頭。
ほぼ1000mは61.3、60.7、61.9、62.8、60.2、59.8、64.0、61.8、57.7、60.3で、あまり速くならない。
ペースは速めの年には追い込みが勝っており、後ろからでも通用しており、展開に作用しているようで。
ただ、コース的にも前目やマクってが多い。普通のメンバーでノンビリ構えて勝つには、能力がかなりいる。面子がショボい年が増えているので、以前と比べると後ろでも可能性はあるが。
【前哨戦】
「ジャパンC(3、1、5、4、8、3、2、12着)」8頭、「菊花賞(1、16、1、1着)」4頭、「天皇賞(秋)(6、2着)」2頭、「金鯱賞(3、1着)」2頭、「エリザベス女王杯(7、3着)」2頭、「凱旋門賞2着」1頭、「アルゼンチン共和国杯1着」1頭。
「騎手の乗り替わり(今回乗り戻り含む)」や「中山巧者の天皇賞(秋)からの直行」くらいしか4着以下はないかと。
【その他】
「人気」は10年で…
『1番人気』は8連対と多い。連を外したのは、15年でいつも通りの出遅れ、14年のハナ差3着のゴールドシップ。前者はスローペースで届かずの競馬だった。
対して「2番人気」3連対、「3番人気」全滅であまりアテにならない。
4番人気2連対、8番人気2連対で、残りは5、7、9、10、14番人気。
「1番人気が多い」のであまり配当は高くならないが、人気薄も絡む。上位人気同士の1、2着は10年で2回。
上位人気で4着以下に敗れたのは…
ゴールドシップ、エイシンフラッシュ、ブエナビスタ、マツリダゴッホ、ポップロック、ゼンノロブロイ、タップダンスシチーなど「前年以前の連対馬」
上記も該当するが、ラブリーデイ、エピファネイア、ジャスタウェイ、トーセンジョーダン、スクリーンヒーロー、メイショウサムソン、ドリームパスポート、コスモバルクなど「ジャパンカップ上位馬」
過去の連対馬は「臨戦過程が違っていたり、成長曲線など」が考えられるし、両方ともにも該当するが「見えない疲れ」というのがレース後の敗因に多く見られる。
「状態や適性など」もあるので、実績だけでは危うい部分もある。
「上がり3ハロン3番手以内」は10年で14頭。
2013年に「以前よりも上がりが求められている…」と上げた途端にかなりのスローペースで該当しないという有様…。
ただ、コースの部分などもあり、実力馬が前からでも良い脚を使う事もあり、「先行勢」を軽視するのは危いとも考えていただけに何とも。
キタサンブラック、ブエナビスタ、ダイワスカーレット、ディープインパクト、シンボリクリスエス、グラスワンダーの「2年連続連対」やオルフェ―ヴルやタップダンスシチーの「隔年連対」、ゴールドシップ(連もあるが)、トゥザグローリー、ダイワメジャー、エアシェイディ、懐かしいトコロではナイスネイチャなど「連続3着」など『リピート率が高い』。
前述の人気はココから来ているのだが、求められるモノが同じでも状況が違うケースも考えれるので気を付けたい。
「年齢」は…
「4歳」7連対、「3歳」6連対、「5歳」6連対、「7歳」1連対
と、「充実の4歳」や「後1週間で4歳だが、年内は斤量面で恩恵のある3歳」が中心か。
5歳以上も可能性はあるが『6歳は鬼門』。
出遅れもあったがゴールドシップ、前年勝ちでオールカマー2着からのドリームジャーニー、前年2着でJC2着からのポップロック、前年勝ちでJC勝ちからのタップダンスシチーらも連を外しており、やれそうな気配の馬もいた。
7歳の連対はあるので、相性のようなモノかもしれない…。ただ、3歳からGⅠを取っているような馬は6歳には引退しているケースも多く、有力馬は少ないし、馬によってはその辺りから衰えが顕著になってくるのかも…
2000年までのように「牡馬は3歳(旧4歳)が55キロ、4歳(旧5歳)は57キロ、5歳(旧6歳)以上は56キロ」と斤量に違いがあったので、それが無くなった影響かと…(現在は3歳が55キロ、4歳以上が57キロ)。
よく言われる「有馬での復活」はコレの恩恵が大きかったか。
「鞍上」は10年で…
「C.ルメール」騎手の4連対がトップ。
「池添謙一」騎手の3勝、「武豊」騎手と「Mデムーロ」騎手の2連対が続く。
馬のリピート率の高さなどもあって、鞍上もその影響はある。
ちなみに「海外騎手」は8連対。さすがに若手の名はあまり見当たらない。
実績とコースの併せになる部分もあるが「中山GⅡ以上連対」が10頭。
残りは「阪神GⅡ以上連対」8頭、「中山GⅡ3着2回、阪神GⅡ以上出走なし」1頭、「阪神も中山もGⅡ以上出走無し」1頭。
20頭中17頭は「中山か阪神GⅡ以上連対」があり、2頭くらい入れておきたい。
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