本日のセレクトセールの目玉と言っても良いだろう。
ウインドインハーヘアの2009
兄に3冠馬ディープインパクトを持つ良血。
亡くなったサンデーサインレンスに変わり、父はその産駒ダイワメジャーになっている。
アグネスタキオンやスペシャルウィークなら違った結果になったかも知れない…
この事が影響したのか、あまり積極的に値段は上がらなかった。
始め値の5000万でなかなか声がかからず、
7000万で止まりそうな勢いだった。
その危機感はオークショニア?や周囲にも影響を及ぼしたに違いない。
9000万でまた止まりそうになる。
「せめて1億は…」
競売を開催している側なら、そう思っていただろう。
少しずつ金額が上がっていった。
と同時に安堵感のようなものが漂った。
「1億円」の金額に応答があった瞬間だった。
『1億5000万!』
オークショニアの声が響いた。
会場が一気にざわつく!
そして…
……
…
「1億…500万!」
とオークショニアが訂正した。
笑い声が起こる。
セリは、金額に応じて入札額が変化していった。
1000万以下なら50万ずつ、1000万以上で100万ずつ…
この辺りでの上げ値が500万だったのに、いきなり5000万も上げたのだから、誰もが驚いた。
オークショニアが間違ったのか、購買者が競売の値上げの額を間違えたのかはわからない(場合によっては独特の値上げ方法がある競売もある…たとえば、札の上げ方で上げ値が10倍になることも)。
「落ち着きましょう…」
オークショニアの一言で、会場には良い笑いが起こった。
落ち着かない状況だったのは、見ていた人間ならそう感じただろう。
ディープインパクトの弟が安値では、『失敗』と言われても仕方ない。
それだけの緊張感があった。
ようやく会場の雰囲気も戻り、ウインドインハーヘアの2009は値を上げていった。
「1億2500万!ありませんか?」
「ありがとうございます!では1億3000万!」
ようやく平静を取り戻したと思っていたのだが、
……
…
「1350万!」
「…1億3500万」
少し笑いが起きた。
オークショニアは未だ気持ちの整理がついていなかったようだ。
逆に気が緩んだのかもしれない。
しかし、それだけの雰囲気があった。
その後、1億6500万でハンマープライス!
何とか面目?の保てる値段だった。
確かに「ディープインパクトの弟」が7000万辺りでは不味い…と競売スタッフは思っただろう。
しかし、父ダイワメジャーではこれも仕方ない。
普通に考えれば、明らかに値段の上がり難い配合だった。
上場した牧場サイドが、「値上がんないと思うけど、良いよ」くらい言っておくべきだったのでは?
注目の集まるだけに、オークショニアや関係者には大変なセリだったかと…。
本当に御疲れ様でした。
個人的に、ここ2日の結果を見る限り…6000万くらいまでの馬に当たりがあったように感じます。
その結果が判るのは先の話ですが…。